全体をまとめる

いろいろと学んできたことをまとめる…ということで水彩画を描いていきましょう。


さて今回のモデルさんです。早春に咲くオオテマリとこのガーデンで一番に咲く名前を知らないイングリシュローズ、メダリアンタイプで小さい花ですが、花を次々に咲かせてくれます。一遍に咲かないので今回はたったの二輪、これをまわし描きして見ます(本数を多く見せたいので)。もう少し時期が早ければ、白のオオテマリがうす〜いグリーンでよかったかもしれませんね。ではこのアレンジを見て、どのように描くかイメージして見ましょう。決まりましたか?素直に見たままを描きますが、自分なりの理解によって描きましょう。


まずは鉛筆(便利なシャープペン使用)で、強い圧力を加えないように、水彩紙にどの位置でどの大きさに描くかを決めます。花のおおよその大きさや、大事なこととして、花の向き(中心を明示する)を描いておく。これは構図というか、そういうことかしら。最後の仕上がりが違ってきますので、どんな絵にしたいかをモデルを見たときにイメージすることです。水彩画は花を摘む時点で、どんな絵になるか、ある程度決まってくるのではないでしょうか。


メインとなる、多くの場合、自分から見て距離の近い目立つ物体(この例ではイングリシュローズ)のきれいな色を薄めに入れていきます。白のまま残そうと思っているところは、塗らないではげはげで大丈夫、幼いときの塗り絵のようにばっちり塗らないほうが、自然できれいです。要はこの段階では几帳面にやらない…ということでしょうか。


バラの中心近く、凹んだところや影の所にちょっと濃い色を置いていきます。あまり力まないで、適当にポトッとおいていきます。後は葉と茎をこれも力を入れないで、中くらいの強さで描いていきます。花瓶の中の植物も、一体として描いていきますが、花瓶の中の部分はちょっとくらめと言うかグレーがかった緑を使うと良いかもしれません。ここで水彩絵具の混色方法がおやくにたつかもしれません。


このバラはおそらくこの絵を見たときに、一番目に付く花かもしれません。そこでこの段階から少しずつですが、花びらの細部に色を入れていきます。細めの筆で線を描き、ぼかす、これを繰り返しやりますが、やる度ごとに完全に乾かしてください。そうしないと、全てが混ざって一塊に、解けて流れて…、そんな風になるでしょう。ここは少しずつ練習していきましょう。きっとうまくいくようになります。


乾かしては描いてをやっているので、解けて流れて一塊のピンクにはなっていないかしら。面倒でも少しずつ楽しんでやってください。なんとなく写真のバラから受ける雰囲気(自分で感じるイメージでいいんです。)になってきたでしょうか?花びらの線を描いては、ぼかす、あの基本の筆づかいの練習になります。基本では太い線を描いていますが、この場合は細筆で線を描く、その違いです。


全体を見たところです。水の部分や花瓶の一部も植物の続きとして描きはじめています。


さらに葉や茎、花を描いていきます。オオテマリの周りの葉も描き始めています。


左手上方のシミのように見えるのが、オオテマリの薄い色を入れた部分です。葉もわかりますか?




ここまで余り変化が見えないかもしれませんが、細部を描いたり、色を少し強く入れたり、バラの花びらを引き続き描いたりしています。お茶と音楽でも楽しみながら、ゆっくりと。オオテマリの花も少しずつ、みえてきたかしら?



オオテマリの細部を描いています。基本、小さいなボールですから、そういう感じに小さな小さな、白い花をところどころ描いて、全体がそういう花でできているという感じを見てくれる人に伝えるように描きます。それと白の中にも本当にいろんな色がはいっていて美しいんだ…ということを伝えたいですね。


オオテマリをもう少し描きこみます。どこでやめるかが思案のしどころです。これだっという時の手前でやめて、その翌日見るとその絵がもっと新鮮に見えるので良し悪しが分かりやすいものです。お吸い物を作っているときなど、味見を何回もすると味が分からなくなる…そんな感じでしょうか。


と 翌日見まして、これで完成と言うことになりました。お疲れ様でした。


いかがでしたでしょうか?できるだけわかりやすいように説明する努力はしましたが、この画像だけではもどかしいですね。ご質問などありましたら、お気軽にご質問からどうぞ。

 

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