水彩画描き方2〜花の形をシンプルに捉える

花を描くときに、どんな風に花にアプローチするか…私たちの作風を決める要素になるとおもいます。私が花を描くときは、その花の持つ、個性をかきたいとおもいます。それで花びらの一枚一枚を丁寧に描くのではなく、その花がもつ雰囲気などを描きたいと思います。

シンプルに捉えるといっても、説明はなかなか難しいものです。花でも何でも見たものに対して、意識または無意識のうちに私たちは何かを感じています。何を感じればいいんだろう…と思う方もいるかもしれません。そんなときは自分に対して、質問をして、それに自分で答えていきます。どんな形か、どんな色か、大きさは?、形は?、にぎやかな感じかそれとも寂しい雰囲気か、暑い感じ冷たい感じか、春の雰囲気か、秋の雰囲気?、香りは?葉っぱはどんな感じか等等…。すると自分の見ているものから何かを感じることができますよ。

それから花に面と向かっていきます。目が悪い方は(私は近視ですが)メガネをはずして見ましょう。細かいところは見えません。そうすると、大体の感じで物が見えている感じです。それから描き始めます。大事なことは、私たちの頭にある概念を捨て去ることかしら…。この花はこうであるとか、この葉っぱはこういうはずである…を捨て去って、もう一度モデルの花たちを見てみましょう。


これはもうおなじみの梅雨の花、アジサイ。全体としては半球というか、球体というか、比較的簡単な形をしています。その球体の間から時々ステムが見えたりしますが、花(ガクですね)が寄り合って球体になっています。表面が花で凸凹になっているボールを描くつもりで、全部の花を描かなくてもいいんです。花をいくつか描いて、後は見てくださる方がアジサイと思ってくださるでしょう。球体ですから、全部平たい色で塗らないで丸いものの影を作りましょう。


小ぶりの花のアジサイ、余り真ん丸くありませんが、それでも基本的には上のブルーのアジサイとおんなじ、花の球のなかに空間を少し余計に入れて、グリーンも混ぜて。


細かなざっ草のような花をまとめてかごに入れた絵ですが、小さな花を一つ一つ描かなくても、グループとして見て、その中に小花があるような感じで描いていきます。一本一本独立して描くよりも可愛いと思います。いくつかの塊として描いて、その中には色の濃い塊もある…そんな風に見て描いていきます。そうしますと、扁平な感じの絵になるのを避けられます。


この絵はかなり小さなものなので、細部を描いていません。色を置いていっていった…といった感じです。筆は特別小さなものを使わずに、軽く描いてみました。グリーンの様々な葉の中から顔を出しているように、一塊として描いています。花も、大雑把に、そうメガネをはずしてみたときのような、描いています。これをもう少し細い筆で細部を描いていっても良いとおもいます。


まずは、葉と茎の下部のかたまり部分を描いていきます。その塊部分から、シュッ、シュッと上部は弧を描いたバターカップの小さな黄色い花が出ている様に描きました。そうすると全体がまとまった感じになります。





この花の形をシンプルに見るとは、花だけではなく、葉っぱ、全体とも関係するので、ちょっと練習が必要かもしれません。見る練習です。絵を描くときには、まず頭の中に描こうとするものがないといけませんが、固定観念で見ないでもう一度良く見て、何かを感じてみてはどうかしら。なんでもシンプルは大抵いいことです。

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