筆について

高級と言われる値段の高い筆(使ったことが無いので実際には分かりません)、から100円ショップの3本セットの筆、どんな筆をえらんだらよいのでしょう。

と言うことで避けて通れない筆の話です。使ってみないと分からない…ということなのですが、買う前に一応知っていたほうが良いことなどを書いてみます。

まずどんな筆を使うにしても厳禁は、筆に力を入れて根元のほうまで使ってごしごしとやる…これはやめなければなりません。すぐに筆先が傷んでばさばさになってします。筆先から三分の二くらいのところまでを使って描きましょう。ちょうど鉛筆を持つ要領でもちます。柄の一番太くなっているあたりを持って描きましょう。柄の下のほうを持って描くのは、手首が自由にならないので、きれいな筆の線はでません。

必要な丸筆の本数は、三本くらいではないでしょうか。、太さはそれぞれ異なっていたほうがよいでしょう。使い始めは、馬毛(茶色)の丸筆(4号位)、中筆(6号から8号)、太筆(10号から14号)がお勧めです。さらに、8号程度の平筆があるとよいと思います。面相筆は、線描描きにはとてもよい筆ですが、色による面表現をさせるには不向きです。

その人の絵の描き方にも由ると思うのですが、筆先がすっとなっていて、細〜い線が書けるような、そうですお習字の筆のようなものも、一本は持っていると良いと思います。日本で幼いころに習っていたお習字、あの印象があまりにも良くないので、自然、筆の先だけをやわらかくして、筆元は墨で固めたみたいな…あれを想像してしまいましたが、そうやって使うのではないのを台湾で発見しました。発見というよりも、大学の言語クラスのおまけ(無料)に”お習字”と”中国画”があったので、それらのクラスを取りました。驚いたことに(驚くのは私だけ?)字も絵もあの日本で使っていたような筆を、思いっきり水でジャブジャブと洗ってしいます。


こんな風にジャブジャブ洗ってしまうと、字を書く筆がこんな具合になります。ふわふわしていて、とても気持ちよくて、我が家の猫ちゃんが大好きです。日本ではお習字のときに、こんな風にはしなかったので、驚き!


そうして濡らすとこんな具合になります。墨汁も絵の具もたっぷり吸います。勢いをつけて、一筆で描きたいときにとてもよいですね。濡れた状態で色を落とすときに重宝します。筆の先っぽが、廉価な筆な割りにとがっていて、毛も抜けることがありません。



ちなみに、先がボロボロのものも持っていて役に立つときがありますので捨てないでもっておいたほうが良いと思います。筆は号数で太さを表します。2,4,6,8,10,12号くらいのところが、一般に使われるサイズです。 私は絵の大きさには余り関係なく、6号位の丸筆と8号くらいの平筆を使っています。花を描くときのバックは余り必要ないように思えるので、花を描くことを中心にしています。それで筆の太さは絵の大きさが変わってもたいてい同じものをつかっています。先が揃っていれば、細かい部分も結構太目の筆を使っても大丈夫です。 絵の仕上げの段階で面相筆を使って一番細かいところを描くくらいでしょうか。 太いと水の含みも当然多くなるし、勢いが絵にでてきます。細い筆はタッチもなんとなく頼りないですね。また筆を持ったと時に、”いい感じ”であることも大事です。

ブラシのサイズの画像を参考までに。

これらは平筆です。下のほうの番号が太さの表示です。実物大ではありません。


これは丸筆の六号サイズのほぼ実物大の影像です。上の6号と照らし合わせてごらんください。この筆はレンブラントのケーキ水彩画絵の具、24色セットについてきた筆ですが、かなり使いやすいと思います。


筆やブラシ、様々な形やサイズ、画材店に行く前に一応の目安として見ておくと良いかもしれません。



私の場合、平筆は丸筆で描いた後、エッジをぼかしたりするのに使います。余り大きいのは使いません。人のよっては水彩画の多くの部分をこの平筆で描いている方もいます。毛の部分全体に絵の具をつけるのではなく一部につけて一筆で見事な線を描く人、すごいですね。中国画家の友人はそんな描きかたもできます。私は?修行中ですので。平たい筆ですので、細い線を描くこともできます。バックなど広範囲を塗るときには刷毛が便利です。ちなみにバンクーバー周辺の画材屋さんでも、日本製の刷毛が普通に売っています。外国製のものは大きさが号数ではなく、幅の広さなどで表示されているものもあります。

使いやすそうな丸筆です。水でこの筆を洗ったときにすぐに元のこのような形に戻るのが良い筆です。使いやすい筆には適当な弾力があります。多くの方が使う筆だと思います。高価なものは一本でも驚くような値段のものがあります。とりあえず所謂”普通の値段”の筆で練習いたしましょう。最初からコリンスキーとかを買える方は問題ありませんね。

この種類の細筆を一本購入しました。細お〜線を描くのに良いと思ったからですが、難点があります。余り絵の具を含みませんので、長い線を途切れなく描くときには向いていません。細い線は丸筆でもきれいに描けますので、これは無駄な出費だったとおもいました。中くらいの値段のものを買いましたが、水彩画新人さんには余りお勧めではありません。しばらくして、どうしても欲しいときに買う筆かもしれません。

こんなブラシもあるんですねぇ。未だ使用した経験はありません。いつかこんな筆を使うときがきますでしょうか。そのときには使い方を説明させていただきます。

真に古い話で申し訳ありませんが、45年くらい前に学校の部活で油絵をやっていたときに、こんな形のブラシを見たことが、または使ったことがあったような気がいたします。が 水彩画で使用した経験はありません。

これは面相筆です。面相筆は細筆として古くなったものでもかまいませんが、時々使っています。一本くらい持っていても良いかもしれません。

いくつか筆、ブラシを使うに当たっての注意点

@使う前にきれいであること…終了した時点できれいにする習慣を。洗ったつもりでも筆の根元などに色が少し残っていたりすることがあります。同系色や暗めの色のときはよいのですが、黄色や淡い色を使ったときに悲惨な色になってしまいます。また反対色の場合はグレイがかった色になってしまいます。

A筆に寝癖のような癖をつけないために、毛の部分を下にして水の中などに長く置かないことや、洗ってしまうときにはきちんと先を整えてしまいましょう。パンクみたいな毛の筆は使いにくいです。

水彩画を描いていて筆もいくらか購入した経験から自分がいくらか学んだことは、本数は沢山いらないけれども、使いやすい筆を探し出す…ということでしょうか。長年の節約主婦の習慣がすっかり身についていて、思わず値段の安いものに眼がいってしまいます。しかし、一般的に極端に安い筆は、長持ちしませんし、筆先がすぐにだめになったり、脱毛(というんでしょうか)を起こしてよくありませんでした。安いので試すというのも良いと思いますが。結局愛用の筆は持ちやすく、水の含み具合がちょうど良く、ある程度の弾力性があって、もとの形にすぐに戻る筆がよいという結論になりました。

今まで廉価な筆しか使ったことはありませんでしたが、最近とても良い値段(安価)でコリンスキーのセーブル筆を購入できました。早速使ってみました。すばらしく良い使い心地です。そこで前述の面相筆と比較した画像をとりました。

 筆先の具合といい、毛の質といい違いがありますね。ついでにこの筆を使って描いた蜂の絵です。 

自分で工夫して作る筆

たまには、自分の必要にあわせて、不必要なまたは使い古した筆などをつかって遊んでみるのもよいかもしれません。花ではなく鳥を描いていたときに、ふと胸のふわふわの毛、羽毛を早く簡単に描ける方法はないかなぁと思いました。そこで描き方もですが、自分で筆を工夫できないものかと、古い筆でこんなのをつくりました。左側は羽毛、右側は鳥の羽を描くのに重宝しています。

 

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