ヴァリュー、明暗を理解する

水彩画を初めてすぐのころは、の絵の明暗、つまり白色や黒色と比べたときの明るさの違いなどには、あまり気がまわりませんでした。作品を完成させたときに、何かもう一つ物足りない…などと感じることがありますが、このヴァリューの変化が無いため、深さなどが感じられないのかもしれません。

それを感覚で分かっていただくのに、下のようなサンプル自分で作成してみると良いと思います。色はなんでもかまいませんが、黒は分かりやすいかもしれません。

それでは、水彩画を使って分かりやすい、実際例をあげて、どんな風にこのヴァリュー、明暗を考えて描いていくのかを見ていきましょう。


この画像のイングリシュローズの花の部分にご注目ください。この花はほぼ同じ絵の具の濃淡で描かれています。不透明水彩でしたら、水彩紙の白は見えなくなりますから、極端に言えば白や黒などの色を加えて明暗を表現します。でも透明水彩絵の具の場合は、殆どの方が白という色を使って明暗は表現しませんから、一色を使って明暗を表現できるように練習するのは良いかもしれません。透明水彩の中にはこの明暗をつけにくい色もあります。たとえば黄色はこのヴァリューのつけにくい色です。ためしにレモンイエローなどで練習してみると、殆ど明暗の違いがわかりません。

この小さなバラの花は、絵のほんの一部での説明でしたが、大きなえの全体にもそれがいえます。自分から近いところはしっかりと描き、後ろは少しだけ、トーンを下げて描いてみる、花の水彩画も風景を描くのも共通点は沢山あります。


この絵の全体をご覧下さい。全体が同じ明暗でかかれてはいないと思います。絵の一部が他のところよりも暗い感じで描かれていませんか?最初から、それを思いにとめて描いてゆくと良いのではないかと思います。完成前にある程度はこの明暗の調整ができますから気楽に描いていきましょう。









私たちの眼はすばらしいことにカラーで全てのものを見ることができます。でも今ちょっとこの影像をセピア色にしてみて見ましょう。こんな風に見てみると明暗、ヴァリューの意味がよく見えるのではないかしら…。


普通に私たちが見る絵ですが、比べて明暗の術をマスターしてください。ちなみに私は修行が足りていませんので悪しからず…。

inserted by FC2 system