絵の具の混ぜ方、混色方法について

色は暖色系の色と寒色系の色に分けることもできます。花の水彩画を描くときには、緑色、植物の多くの割合を占める”緑色”を作る、混色方法を知っておくのは有益です。

すでに作られて販売されている色もすでに多くの色が存在しますが、そんな既成の色を使うときにも役に立ちますので、実際に使ったときの影像も含めて紹介していきます。

重色と混色について

水彩画ならではの基本となるのが重色と混色です。「混色」は他の素材(油彩やアクリル)でも普通にやっていることですのですが、文字通り色を混ぜる事ですね。パレットで必用な色を混ぜて作ります。

「重色」は水彩画らしい透明感をだすために是非使っていただきたい技法です。下地の色が完全に乾いた後(ここが肝心なところですよ}に別な色を上にのせる事で、セロファン紙をのせたような効果が出ます。完全に乾いていない場合は濁った色になってしまいます。重色したところがどんな色になるかは、自分で作る色見本のレッスンが役に立ちます。また色が水の量にによっても微妙に違ってきますので、あらかじめ試し塗りをしてみたほうが良いかもしれません。この二つの塗り方を試してみますと、同じ色をつかっても大きな違いがあることがわかります。これを自分流に使いこなしていくことで、その人独特の味が出てくるのではないかしら。

三原色の混色〜緑色を作る

水彩画・基本色の選び方 水彩絵の具をパレットに揃える時に、基本となるのは三原色です。画家の中には、三原色だけで製作する人もあります。私が最初にとったコースのインストラクターは彼女が選んだ三原色で生徒たちに教えました。ですから、そのときは三原色選びを生徒の代わりにしてくれたわけです。最初から自分で選ぶ時は、どのようにしたらよいでしょうか。ひとくちに、赤 青 黄といっても、売っている絵の具をよく見ると、メーカーや使用されている顔料によって微妙な違いがあることと、色には暖色系と寒色系があり、混色したときの二次の色が変わってきます。

ではそれぞれ一色ずつ選んだセットです。

寒色系:赤(アリザリンクリムスン)、 青(セルリアンブルー)、 黄(レモンイエロー)。暖色系:赤(カドミウムレッド)、 青(ウルトラマリンブルー)、黄(カドミウムイエロー)。この二つのセットが代表的な色です。この六色で様々な色が出来上がると言うわけになります。

色と青の色でグリー ンの二次色が得られます。グリーンは自然の中でもっともよくみかける色ですし、植物を描くのには不可欠な色です。。しかし、グリーンの色の幅は非常に大きいので、一口にグリーンといっても様々なバリエーションがあります。目の覚めるような鮮やかなグリーンから、くすんだ茶色がかったグリーンまでさまざまです。そんなグリーンの混色をマスターすれば、他の色の混色の要領も見えてくることでしょう。

では、暖色と寒色のセットから黄と青を選んでグリーンを作っていきます。 ここでは、寒色、暖色それぞれ一対の黄色と青から、グリーンを作り出してみましょう。寒色青(セルリアンブルー)と寒色黄(レモンイエロー)、暖色青(ウルトラマリンブルー)、暖色黄(カドミウムイエロー)を使います。

寒色系レモンイエローとセルリアンブルーの組み合わせ。二つの寒色系の色からはやはり寒色の涼しげなグリーンができます。

同じ組み合わせの色で、それぞれ片方を増やした色です。

次は暖色黄(カドミウムイエロー)と寒色青(セルリアンブルー)の組み合わせです。暖色黄のカドミウムイエローの赤みでグリーンがすこし渋めです。

同じ組み合わせですが、それぞれ片方の色を増しました。同じ組み合わせでも様々な色ができますね。

今度は暖色青(ウルトラマリンブルー)と寒色黄(レモンイエロー)です。グリーンがグレー化してきました。彩度が低くなります。

同じ組み合わせで、各片方の色を多くしました。

暖色系の青と黄ではどうなるでしょうか。ウルトラマリンブルーとカドミウムイエローです。暖色系同士のグリーンはさらにグレー化が進みます。

>同じ組み合わせで、各片方の色を多くしました。

青と黄で作るグリーンの混色実験はいかがでしたか?これと同じ実験が青と赤でできます。紫になりますが、紫も色幅がとても大きな色です。また花や風景、影の部分、バックなどなど、使用範囲がとても大きな色です。見るのも興味深いものですが実際に試してみるのは面白いものです。

三原色の混色方法〜紫を作る

紫の作り方の実験 先日紫色のバラを描きましたが、まったく悲惨な色になってしまいました。そこで紫色の混色方法のお勉強。確かにそのままチューブ、あるいは固形で紫はありますが、微妙にいろいろな紫ができたらいいですね。たとえ、紫のチューブの色をつかっても、それにどんな青あるいは赤をいれると、どう変化するのかと言った具合に、知りたいとおもいました。花を描くときはそれはそれは、いろんな色があるのを再認識させられます。

まず、原色の青と赤を混ぜることによって、二次色である紫が得られますが、紫には青みがたっか青紫、赤みがかった赤紫、藤色のような淡い紫など様々なバリエーションがあります。しかし、基本的には暖色に分類されます。また、彩度を落すと黒に近い色になり、おだやかな暗色で私も影の部分などにも使用します。

学んだ大事なポイントとしては、鮮やかな紫を作るためには、三原色のうち、黄色の成分を入れない!ということでしょうか。そのため、マゼンタ系の赤と、赤みを含んだウルトラマリン・ブルーとの混色が最も鮮やかな紫になります。

組み合わせ1:ウルトラマリン・ブルーとアリザリン・クリムスンとの混色。とっても鮮やかな紫になります。この組み合わせでそれぞれ、青を多めにすると青紫、赤を多めにすると赤紫ができます。

+ =

青を多めで となり、赤を多めにすると となります。

組み合わせ2: ウルトラマリン・ブルーとカドミウム・レッドの混色です。カドミウム・レッドは黄色身を含んだ色ですので、紫はやや彩度が落ちた色になります。

+ = となります。

組み合わせ3: セルリアン・ブルーとアリザリン・クリムスンの混色です。セルリアン・ブルーは黄色身を含んでいますので、ここでもやや彩度の落ちた紫になります。

+ = となります。

組み合わせ4: セルリアン・ブルーとカドミウム・レッドの混色。青もも赤も共に黄色身を含んでいますので、紫はグレーに近い色合いになります。

+ =となります。

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