ガラスの花瓶や水の描き方

水で水を描くんですね。透明なガラスも水も実際には色がありません。でもガラスの花瓶に水が入った白黒の写真などをみると明暗、ヴァリューがはっきりと分かります。では前に明暗表を作った方には、ちょっと位易しいのではないかしら。そんな明暗で描いていけば良いと思います。ただこれには色がありません。即ち、白いものを描くときと似ています。白いものを描くときには、基本的に@薄く鉛筆などで輪郭線を描く、A影の部分を描いていって白を表現する。B薄い白に近い色で描く。こんな感じでガラスなどの透明な花瓶を描いていきます。色はやはり見る人の解釈の仕方と言うか、見方というか…そんなところです。

では実際のモデルと水彩画でその様子を見ていきましょう。


これは実際の花瓶に活けた花束です。花瓶の水のところは、眼をセピア色にみるようにして、明暗を考えましょう。このガラスの花瓶には比較的沢山花の茎が入っていますね。透けて見える部分はそんなに多くはありません。まずは花瓶の口のところまで覆いかぶさっている植物は上の部分の続きですから花瓶の内外の植物も描いて行きます。


水で薄めた色を使い茎や花瓶に写った茎などを、水を十分に使ったかいていきます。その時に一本一本茎が正確に描かれているか気にすることはありません。それよりも見た感じが水になっているかどうかなど、雰囲気を見ます。水は水で描くをおわすれなく。花瓶の中の植物と水の雰囲気を描いた後、花瓶を描いていきます。花瓶の中の植物は全体的に外の植物と比べると、緑色が鈍い感じがしますね。


花瓶を描くときに左右対称にするのは結構難しいものです。私の場合は余り気にせずに描いていますが、左右対称でないと気がすまない方も多いと思われます。そんなときは、半分描いたらそれを反対側に写して描いてみましょう。花瓶のどのあたりに自分の目線が行っているのかはきちんと確かめて描いていって下さい。このセクションのまとめとしては、@ガラスの花瓶と水は主に明暗を捉えるようにして、対象物を観察する。A水は水で描く。薄い色でステムを描いていき、その後で花瓶をなじませるように描きこんで行きます。習うより慣れろでしょうか。


ガラスの花瓶と水、そしてその中の植物、明暗で見ると描く助けになりますが、なかなか難しいものです。一例としてご覧下さい。

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